さよなら入道雲

思ったことを吐く

心理的瑕疵物件で見るトム・ブラウン(映画ネタバレ)

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今映画観終わった直後です。

ヤバイ、とにかくトム・ブラウン編がヤバイ!

適当にあらすじ絡めながら吐き出してきます。





彼女と相方に捨てられた冴えない芸人・シンジ(漫才で全然笑わないという、みちおちゃんとは正反対の男!)は、行きつけの居酒屋でロン毛パツパツスーツのヨシオという男と出逢います。彼はアート系の仕事をしており、仕事でクライアントの機嫌を損ね家に帰りたくないと落ち込んでいました。仕事が上手くいかなく途方に暮れてるところ、シンジと同じ境遇でイイですね。で話してるうちに意気投合し、ヨシオを事故物件な自宅に連れ込むんですね。で、お酒入ってあれやこれやと話してるうちに、ヨシオがネタを見せてくれとシンジにせがむんです。

で、仕方なくネタを披露(全くオチてないグダグダなネタなんですけど、ほぼ一人トムブラウンやってます)するシンジ。中途半端に終わった合体ネタを見て、明らかに心から面白いと思ってなさそうな笑い声を出しながら拍手をしてくれるヨシオ。優しい。

で、ここからがヤバイんですよ。君は嘘をついている、とシンジはヨシオに言い寄ってきます。ここのみちおちゃんの迫真の演技がヤバいんです。理由は後述しますが、取り憑かれたようにヨシオに迫ってくるみちおちゃんの表情。笑ってるけど笑ってないんです。いつもの可愛い笑顔じゃないんですよ。目の前のロン毛に執着し、嘘をついたことに対して非常に動乱している。目には狂気しか宿っていないんです。


時間は飛び、雷鳴が響く天気の下、いつもの居酒屋で一人飲んでいると、キャリーケースを持った女子高校生が店の前に立っていました。一目で家出少女と分かったシンジは、少女にご飯を奢り自分も独り身だからと家に来るように誘います。躊躇いもなく着いていくと(この時点で別の意味でヤバイ)、さっきの落ち着いた感じとはうって変わって狂気しか感じねえシンジがそこにいました。

もうここが震え所さんです。目を血走らせ、笑い続けるシンジ。みちおちゃん普段から割と怖い言われてるけど、それ以上の怖さが笑顔から滲み出ていました。正直メインの女幽霊よりも怖かったです。


ここからは元相方と元カノがシンジ宅に訪れてそこにはーーって感じで終わるんですが、実はシンジは9人も人を殺していました。ロン毛含め。

それは彼自身の意思からではなく、事故物件に住まう幽霊に取り憑かれ無意識に行った殺人だそうです。この設定は最後に語られるのですが、なるほどずっとムスッとしていたシンジが笑顔を何度も見せるようになったのはこの所為だったのかと納得しました。この細かい変化がイイですね。


とりあえず「劇場版ほんとうにあった怖い話〜事故物件芸人〜」のトム・ブラウン編はここで一旦締めます。

個人的には、初対面なのにヨシオに対してすごいニコニコするシンジが良かったですね。あとロン毛ちゃんは首で演技してることがよく分かりました。


全体的にずっと落語で流れるような三味線の音楽、カンカンと響く拍子木が良い雰囲気出してました。3部作どれもよかったんですけどやっぱりラストで全部持ってかれたので、トム編だけあと5回くらいは見たいですね。